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過去の話シリーズ(3) 転職しベンチャー成功ストーリーを体験

自己紹介シリーズ第3弾です。前回の 組み込みシステムの開発に苦戦 の会社の直属の先輩の友人が電気系CADのベンチャー企業を起こしておて、新規プロダクト開発のために先輩が転職するというので私も付いて行きました。

PCB 画像はイメージです

開発していたのは、スキャナーでA1(A0)サイズの図面を読み込みCADデータ(ベクターデータ)に変換する装置でした。その時点ではコンピュターはやっと16bitのCPU 8086 が使われだした時代で現在とは違い装置を作るのはかなり困難でした、米国のベンチャー企業や日本の大企業の研究所が研究開発している時代でした。
当時のCADはまだ高価で端末台数が少なく設計者が直接使うのではなく、設計者は従来通り図面を書きオペレータが図面を見ながらCADに入力していたため図面の入力時間がCADによる効率化の障害になっていました。

そもそもA1サイズのスキャナーなど販売されていませんでしたし、スキャナーから読み込んだ画像を格納する大容量のメモリー(16Mbyte ですが、その当時の大型コンピュターの主記憶は1Mbyte程度でした)や高速に画像処理を行うハードウェアも必要でした(8086では画像処理には遅すぎました)。

そのベンチャー企業では、ある大学にベクターデータ変換の基本的なアルゴリズムを研究開発してもらい、画像処理用のハードウェアは天才ハードウェア設計者を紹介してもらい開発を進めていました。私もそのプロジェクトに参加し、大学で作られたソフトを実際の装置に組み込んだり、高速化したりとソフトウェアの開発を行いました。

世の中にない装置の開発を少ない開発者で行っているので毎日が終電のような状況でした。また問題が次々と発生しました技術的な問題だけでなく、突然と天才ハードウェア設計者と来なくなるなどプロジェクト運営も一筋縄ではいかない事が何度か起きました。
そしてある日の深夜、図面をスキャンからCADデータ変換までの全てのソフトが動きCADに変換されたデータ表示されました、その嬉しさから開発者だけで深夜のファミレスで祝杯を上げました。

完成した装置は従来からのお客様であった家電企業以外に、地図のデジタル化を計画していた地図・測量メーカーにも売れ、そのベンチャー企業は順調に発展し始めました。

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