EY-Office ブログ

過去の話シリーズ(8) シリコンバレーからの影響

ベンチャー企業でオリジナルCADのコア部分を開発する(前半) に書いたように電気系CADの本場はシリコンバレーです。仕事で何度もシリコンバレーに出張しCAD会社やワークステーションの会社に訪れていました。
まだこの時点ではWebは広まってなく、初めて訪れたシリコンバレーのベンチャー企業やそこで働く人達が、日本の企業や社会人と違うのに驚きました。

現在、独立してEY-Officeという会社をやっているのも、その時に体験たシリコンバレーからの影響が大きいと思います。

Raster CAD 画像はイメージです

私のいたベンチャー企業では米国支社を作り米国でサポートエンジニアを雇ったり、米国のエンジニアが開発した自動配線のソフトを購入・提携したりと米国のエンジニアと打ち会わせしたりする機会も増えて行きました。また3番目のCAD開発プロジェクトでは米国のエンジニアをリーダーとし、何人かの米国人や中国人と開発の仕事をしました。

そこで日本とは違うなと感じたことは:

プレゼンテーション、自分の意見を述べる

日本ではカンファレンスやプレゼン等で質問する人は少ないですが、米国のカンファレンスやプレゼン等では多数の質問が出ます、話者も活発な質疑応答を期待しています。

当時(今もかな?)の日本での打ち会わせでは、最初の挨拶が終わるとエンジニアは発言せず黙々と話しを聞くイメージがありました。しかし米国では自分の意見を言わない人は尊敬されないし、存在しないのも同然に思われるようです。
また、エンジニアであってもわかりやすくカッコいいプレゼンを行なえるのも感心しました。

納得するまでのディスカッション

米国人に仕事で「・・・やって下さい」と指示すると、たいてい「なぜ?」と聞かれ面倒くさいです。日本人なら上の人から指示されると、多少不満があっても「はい」と答えブツブツ独り言を言いながら開発を始めます。

しかし上からの指示がいつでも最適とはかぎりません、自分が担当してるソフトであれば良い実現方法が思いつくかも知れません。また「なぜ?」という質問は、その指示が行われた原因や本当にユーザーが行いたいことを聞き出せ、指示された方法以外の解決方法が検討出来、より良い解決方法にたどり着けます。

この習慣は良いと思い、私もお客様との仕様検討の時には、やたらと「なぜ?」と聞く面倒くさい人になりました。しかし、それは最終的には良いソフトの構築に役立っていると思います。

出来る人と出来ない人の差が大きい

当時、理系の大学をでた日本人ソフトウェアエンジニアは、出来る人と出来ない人の差がそれほど大きくなかったと思います。出来る人はいましたが、出来ない人もいましたが酷いレベルの人は少なかったように思います。

しかし、シリコンバレーのソフトウェアエンジニアの出来る人は、これは凄いなぁ〜と思う人が何人もいました。また技術力だけではなくビジネスの知識やプレゼンも上手く、しかもハードワーカーで短期間で成果を上げる人を何人も見ました。
ただし、出来ない人は本当に酷いレベルでした、シリコンバレーの全エンジニアが出来る人ではないのです。ソフトウェアエンジニアの平均レベルを考えると日本も米国も同じかなと思いました。

現在日本でも出来る人と出来ない人の差が大きくなったと思います、オープンソースやGitHub等のネット情報でエンジニア個人のレベルが分かり易くなったからかもしれませんね。

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EY-Office代表取締役
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